ESXi から Proxmox に変更

仮想化

仮想サーバを構築するにあたり、以前はVMware ESXiを利用していましたがProxmoxに変更しました。変更した理由は下記の通り。
※ESXiは無償版の使用が前提

CPU対応(intel 12世代)

ESXi は、Intel 12th以降のPコア、Eコアを現状サポートしていないようです。
せっかく12世代でコア数が増えたのに現状はEコアを利用できず、UEIFでEコアを無効化しないとダメなもよう。これでは仮想サーバとしての魅力は半減です。。。
ProxmoxはDebianベースで、Debianが既にEコアをサポートしているので問題なく利用できるようですね。

vCPU数(1台あたり)

vCPU数は、仮想マシン1台あたりに割り当てられるCPUの個数。
無償版のESXiだと8個までですが、Proxmoxだと物理CPUコア数(スレッド数)の最大まで割り当てることも可能です。

ESXiは8個まで。。。
8個以上指定すると、起動させてもらえない。。。

バックアップ

仮想マシンのバックアップに関してです、これはスナップショットとは違い、ファイルとして別のストレージ等にバックアップしたい時の話です。
ESXiの時は、cli等から仮想マシンを構成する複数ファイルをバックアップしていましたがやはり面倒でした。シェルスクリプトを用意してバックアップ出来るようにしていましたが、それでも多少のコマンドや引数を指定して行うのは手間と感じてしまっていました。
ProxmoxだとGUIの画面から、マウス操作でポチポチするだけで実行できるのはすごく便利です。

コンソール

仮想マシンをリモートデスクトップのように操作するための方法です。
ESXi、Proxmoxともブラウザだけで簡単な操作が行えますが、画面のリサイズの追従や、コピペが不可能でした。
これに関しては、ESXiのほうが、Remote Consoleアプリの使い勝手が良いです。

CPU温度監視

やはり、仮想サーバとして常時起動させている物なので、CPUの温度等が気になります。
ESXiではIPMIに対応したマザーボードが必要ですが、IPMIはサーバー向けの製品じゃないと機能を搭載しておらず、一般向けのハードウェアで組んだPCだとほぼ不可能です。

ESXiだと、IPMIに対応していないと不可能


Proxmoxはdebianベースのため、lm-sensors等を利用してCPU等の温度取得が可能(※1)です。

ProxmoxでCPUの温度を取得表示している例


※1:ただし、Proxmoxの管理画面等に組み込むには、モジュールの修正が必要。。。

状態表示グラフ(CPU、メモリ、NW、ストレージ使用率)

状態表示グラフは、ハイパーバイザにどれくらいの負荷が掛かっているかの目安になるので結構重要です。システムの構成や設定を変更して、どれくらい変わったかな?と確認することも多いですね。
ESXiだと直近1時間しか見れないのでかなり残念な仕様。。。
Proxmoxだと、まだそんなに稼働期間が長くないので何ともですが、かなり長い期間見れるようです。

ESXiで確認できるのは「直近1時間」だけ。。。
Proxmoxだと、年単位で見れる!

TPM

Windows11に必要なTPM。仮想マシンでは、仮想TPMを利用するっぽい。
ESXiは単体だと不可能なよう(別途、有償のvCenterが要る)。
Proxmoxだと普通に作成できる。

クラスタ

クラスタは複数のハイパーバイザで、メンテンナンス性や、対障害性を上げることができるものですね。一つの管理画面から複数のハイパーバイザを一元管理したり、メンテナンスで電源をOFFしたいときや、障害が発生した時に別のハイパーバイザへ移動させたりできるような仕組みです。
これもESXiではvCenter等が別途必要で無償版の範囲では不可能ですが、Proxmoxであれば可能なのもうれしい点です。

NIC対応

これ、NIC(LANモジュール)が認識しないとESXiのインストール自体ができないので重要なんですよね。。。
ESXiがバージョン7.0になった時から、認識するNICがかなり制限されるようになってしまいました。。。6.7までは、Realtec等のNICも別途有志のドライバーを当てることで認識させることが出来ていました。7.0でもIntel系のNICであれば、割りと認識するようですがオンボードやPCI接続のRealtec系等は認識できないようです。別途USBタイプのNICであれば別途ドライバを適用することで認識できるものが多くありますが、あまりUSBを生やしたく無いですね。。。

まとめるとこんな感じ

ESXiProxmox
CPU対応(intel 12世代)Eコア未対応Eコア対応
vCPU数(1台あたり)無償版は8個まで無制限
バックアップCLIでコマンド実行GUIから実行可能
コンソールブラウザ,Remote Consoleブラウザ, SPICE等
CPU温度監視HWが対応しないと不可能lm-sensorsで可能
状態表示グラフ
(CPU、メモリ、NW、ストレージ使用率)
無償版は直近1時間表示最大年単位で表示
TPM利用無償版は不可能可能
クラスタ無償版は不可能可能
NIC対応微妙。。。認識率が高い

ピンク背景になっている箇所が優れていると感じている項目。
私の場合は、Proxmoxが良いかなと判断しました。
あくまで、個人的に必要としている機能に的を絞っているので、感じ方は人それぞれにはなるかと思います。
例えば、PCIデバイス(GPU)のパススルー等はESXiのほうが設定が簡単かつ成功率や安定性もあると思いますので、ESXiにも良いところはたくさんあります。

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